10月4日に三条東公民館にて、平成28年度 圏域別研修会(県央圏域)を開催しました。今年度は県央圏域相談支援事業部会で、ワーキングを作って、テーマを選定しました。
今回は、長岡赤十字病院 小児科部長 田中篤先生をお招きして、『愛着障害について』というテーマでお話ししていただきました。
幼少期に虐待を受けるなどして、親子間の愛着形成がうまくいかず、ある程度の年齢になって様々な困難が生じてしまうことを『愛着障害』と呼ぶことがあります。田中先生は中越地震や、中越沖地震などの災害時に小児科医として被災地支援を行う中で、『災害』という特殊な環境下で子供が親との愛着形成の不全からくる様々な症状を改善する活動を行っておられ、現在も愛着障害について臨床の場で日々困難を抱える子供たちの治療に当たっておられます。
愛着形成がうまくいかず様々な困難を抱える事例を交えて、愛着障害について基本的なことからお話をしていただきました。
愛着形成がうまくいかず、様々な困難がある方に対応する支援者に求められることは、良好な関係を樹立して、信頼関係を形成し、ご本人が支援者に親近感、安心感、自分が理解されているという感覚を提供する。ご本人にとっての『安全基地』になることだとのお話が印象に残りました。
【田中先生の講義の様子】
その後、グループワークで『愛着障害』について、参加者で話をしました。参加者の中には実際に『愛着障害』と思われるケースの対応している方もいて、田中先生の講義を聞いて、もっと聞きたいことなどを質問していました。
【グループワークの様子】
参加者から、田中先生の講義がよかった。もっと聞きたいという声や、自分たちでも田中先生をお招きして研修がしたいという声も聴かれました。
今回は、今まであまりなじみのなかった愛着障害について学ぶことができました。ただ、まだまだ知識として不足していると感じたのも事実です。今後は、もっと自己研鑚が必要だと感じさせられた研修会となりました。